「頻尿」とは「頻繁に尿をもよおす」ことを指しますが、ではいったい1日にどれくらいの回数トイレに行く状態が「頻尿」なのでしょう?
頻尿の定義や頻尿になる原因や症状、また男性と女性でもやや「頻尿」の原因が違ってきますのでその点を併せてお伝えしたいと思います。
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頻尿の原因とは何かを知って対策を立てることです
頻尿対策の一番としては、まず頻尿とは何かを知ることが大切です。
またなぜ頻尿が起きるのか、その原因を知ることがもっと重要になってきます。
原因を知らずに対策は立てられません。
ではまず先ほどの「頻尿」と言われる回数の問題についてですが、基本的は考え方として
「昼5回程度、就寝時0〜1回」が成人の平均的な排尿回数です。
とは言え個人差がありますからこれはあくまで目安であって、平均値を上回ったからといって即「頻尿」というわけではありません。
また、たまたまその日はお酒をちょっと多めに飲んだとか、暑かったので水分を多量に摂取した場合は当然平均値は上回るものです。
そう言うケースを除けば「昼8回、就寝時2回、合計10回」を超えたあたりが頻尿の目安となってきます。
この点では男女の差はさほど関係はしませんし、あくまで「目安」ですから明確な基準と言うわけでもありません。
たとえば回数が1日10回に満たなくても、就寝時はいつも2~3回程度尿意を感じて起きることがある、など本人が頻尿の症状に悩まされていると思うようでしたら「頻尿」と診断断されることもあります。
また仮に排尿回数10回以上であっても、必ずしも「頻尿」と判断する根拠にもならない、と言うことも覚えておきましょう。
頻尿の主な原因男女共通のものとは?
頻尿の原因として一番に挙げられるのが「過活動膀胱」です。
これは膀胱を支配する自律神経の障害や、脳への知覚伝達の異常などが原因とされています。
つまり過活動膀胱とは、急激にガマンできないような尿意が起きることで「尿意切迫感」と言いますが、これは突然前ぶれもなく尿意をもよおしガマンできず漏らしてしまう「切迫性尿失禁」です。
これが頻尿や、夜に何度もトイレに行くと言った症状を引き起こす疾患の原因です。
この症状は女性より男性に多い傾向があります。
健康体の場合ですと、通常膀胱に400-500ccの尿がたまると最大尿意を感じてきて、排尿のための筋肉収縮が起こる仕組みになっています。
それが過活動性膀胱ではたまった尿の量とは無関係に勝手に筋肉が収縮を起こして、予想外の尿意を引き起こすのです。
【加齢によって頻尿になる】
頻尿は加齢に伴う老化現象で起こることもあり、特に就寝時の夜間頻尿は多くの高齢者を悩ませる代表的な頻尿の症状です。
ご高齢でなくても、40代を過ぎて行くうちに加齢とともに頻尿は増加する傾向があります。
そして良質な睡眠や安眠を妨害する大きな原因にもつながりやすくなります。
【心因性によって頻尿になる】
どなたでも緊張すると尿意をもよおすことがありますが、これは尿がそれほどたまっていなくても緊張感と言う心因性で起こる症状です。
そして必要以上に尿意を気にするようになると、少し膀胱に尿がたまっただけ尿意を感じるようになって行きます。
つまり肉体的にはそれほど排便の必要がないにもかかわらず、脳が尿意を伝えるのですがこれを「神経性頻尿」と呼んでいます。
神経性頻尿は緊張感以外にも精神的ストレスで何度もトイレに行きたくなった経験が根付くことで起きやすくなります。
たとえば過去に電車や車に乗っている時や、会社や学校などで会議や授業で「トイレに行けない状態」でトイレをガマンせざるを得なかった経験がきかっけとなって、「尿意に対する恐怖心」が植え付けられてしまったのです。
この手の神経性頻尿は、気になり始めると余計に尿意を感じるため、日常生活に支障をきたすこともあります。
膀胱の排尿筋そのものを自分の意思で動かすことはできませんので、過活動膀胱であっても収縮した排尿筋をリラックスさせることがとても重要ですから気持ちをゆったりとして「必要以上に尿意を意識しない気持ち」がとても大切です。
頻尿の女性特有の原因
【女性ホルモンの低下で頻尿になる】
女性の場合加齢とともに女性ホルモンが減少し、それにより筋肉量が減少して、骨盤底筋の弾力性の低下が起こると言われています。
つまり骨盤底筋が緩んでしまったり、あるいは縮んで硬くなったりした場合頻尿や尿もれが起こりやすくなります。
先ほどご説明した過活動膀胱では排尿筋が過剰に収縮してしまうためためられる尿の量も少なくなりますが、特に女性は尿道が3~4cmと短いですから男性と比べて尿漏れを伴いやすい傾向にあります。
【骨盤底筋のゆるみで頻尿になる】
女性特有の頻尿の原因として、骨盤底筋のゆるみも考えられます。
骨盤底筋とは、膀胱、尿道、子宮などを支える筋肉で、健康な骨盤底筋はお腹に力が入ると反射的に尿道口を締め尿漏れを防ぎますが、骨盤底筋がゆるむと尿道口をしっかり締めつけることができず尿漏れや頻尿の原因になってしまいます。
よく耳にしますが「咳やくしゃみ」によってのチョイ漏れや「重いものを持った拍子」チョロっと尿が漏れてしまう症状がありますが、これは「腹圧性尿失禁」と言います。
咳やクシャミもそうですが、これはお腹に力が入った時に膀胱に腹圧がかかった瞬間に起こります。
骨盤底筋がゆるむ原因としては、妊娠や出産が一番の原因とされています。
その理由は、妊娠中の胎児の重みが骨盤底筋に負担となる上、出産時に骨盤底筋が大きなダメージを受けるためとされています。
これ以外の女性特有の尿漏れや頻尿の原因は、運動不足、年齢的な筋肉の衰えなどが挙げられます。
【膀胱炎によって頻尿になる】
膀胱炎は、男性よりも圧倒的に女性に多い病気と言われていて、その理由は尿道の長さが、男性に比べ女性のほうが短いからです。
尿道口と膀胱の距離が短いとさまざまな菌が膀胱の中に侵入しやすいためです。
本来膀胱そのものは本細菌への抵抗力をもっていますが、ストレスや病気などで抵抗力が落ちると膀胱内の細菌が増殖するため、膀胱炎になってしまいます。
頻尿の男性特有の原因
男性の場合は何と言っても「前立腺肥大症」が原因になることが挙げられます。
前立腺とは、膀胱の出口で尿道をぐるっと取り巻いているク2~3センチ程度の臓器で、精液の一部となる前立腺液を分泌しています。
50歳を過ぎたあたりから多くの男性に、前立腺の肥大がみられるようになり、前立腺肥大症になると尿の出が悪くなったり、頻尿の症状があらわれます。
頻尿対策として
自分でできる頻尿の対策法としては意外に少ないものです。
その理由は頻尿の原因次第で対策法がまったく違うためですが、それでも有効な方法としては「膀胱訓練法」の実戦が有効とされてます。
膀胱訓練は病院でも実際に行われている治療法で、計画的に排尿をガマンすることで膀胱にたまる尿量を少しずつ増やす訓練です。
(詳細は病院での指導が望ましい)
薬に頼らなくても自己訓練で改善することは可能ですから、そういった方法を医師指導のもと実践するのが頻尿改善の近道かと思います。
また軽い症状でしたら優良なサプリメントの継続服用も良いかと思います。
いずれにしても頻尿の改善が見られない場合は、速やかに泌尿器科を受診をお勧めいたします。
このテーマのまとめ
頻尿とは文字通り「頻繁に尿意を催す症状」ですが、尿の悩みはどうしても他人に相談しづらいものです。
ですから病院にも行かずに放置してしまいがちですが、頻尿によってどうしても行動範囲が狭くなったり、就寝時の頻尿で睡眠不足になるなど生活に大きな支障をきたすこともあります。
ご自分で頻尿を意識したら、まず行動を起こすことが大切です。
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