最近よく耳にする「窃盗症」と言う病名ですが、じつはこの精神疾患は意外に古い経歴があります。
過去は「窃盗癖=クレプトマニア」とも称されていました。

ここでは「窃盗症」についてその原因や心理状態、そして治し方について詳しくお伝えします。

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窃盗症は治る?治らない?

女子マラソンランナーで活躍した原裕美子さんが窃盗(万引き)を繰り返し逮捕され、世間を驚かせたニュースは記憶に新しいです。

そしてこの頃から「病的窃盗」として世間に広く認知され「窃盗症」なる病名も広まってきました。

窃盗症とはそもそもどんな病気か?

【窃盗症について】

窃盗の欲求や衝動を抑えられずに行為に及んでしまう精神疾患の一種。
米精神医学会では、窃盗の衝動に抗えないことや、窃盗によって気分の高揚感や満足などを得ていることなどを診断基準としている。

盗む対象は金銭的に高価なものや必要なものとは限らないことや、再犯率が高いことなどが特徴。

2010年代に入り、窃盗症が原因とみられる再犯については裁判所が治療による更生を考慮し、懲役刑ではなく罰金刑を言い渡すケースも増えている。

コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E7%AA%83%E7%9B%97%E7%97%87-1736837

原裕美子さんの例でも分かるように繰り返し逮捕されたりあるいは、受刑しても窃盗(万引き)がやめられない状態が典型的な「窃盗症」です。

ではこの「窃盗症」と言う精神疾患は治るか治らないかとなると、結論を言えば「治る病気」と言って差し支えないと思います。

ただし専門にの元それ相応の治療を行うことが条件になりますし、何より本人の「窃盗症」に対する自覚と「絶対治す」と言う意志が必要であることは言うまでもありません。

じつは私の知り合いでも過去この「窃盗症」に苦しんだ女性がいました。
彼女曰く、
「窃盗(万引き)いけいないこと、悪いことと頭の片隅では天使の自分が囁いている。
でもその思いとは裏腹に盗め!盗め!と私を執拗に仕向ける悪魔の自分がいる。

そして結果としていつも悪魔の自分が勝ってしまう」

窃盗症の原因と心理治し方は?

家族の信頼を失くし友人を失った彼女は真剣に「窃盗症」と闘い、そして2年以上かけて専門医のサポートのもと完治させることに成功しました。

再び彼女の言葉を借りると、
「治りかけの頃はたまに“揺れるような心のざわめき”を覚えて不安になったのですが、その時は携帯の待ち受け画面の夫と子供の写真を見て深呼吸して何とか自分の心を落ち着かせた。

そのざわめきが次第に少なくなり2年を過ぎた頃、まったく無くなったので心から安堵しました」

窃盗症は治る?その原因と心理

「窃盗症」に陥る原因ですが、この精神疾患のかかる人に共通していることがあります。
原裕美子さんもそうでしたが「窃盗症患者=クレプトマニア」は、摂食障害や鬱(うつ)病あるいはアルコール依存症、さらには自傷行為と言った精神疾患と隣り合わせに存在するのです。

近年では特に「窃盗症は摂食障害との併存するケースが多い」と言われています。

摂食障害とクレプトマニアが類似しているのは、どちらも「衝動的なコントロールが利きにくい」ことでありさらに言えば女性に多いという点です。

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摂食障害に共通するのは「ダイエット」であり自分の体型を気にするあまり摂食障害に走りやすいからです。

こういった心理はは男性より女性が多いのも頷けますし、同じ心理状態に陥る「窃盗症」もまた女性に多く見られるということです。

とは言え「窃盗症」は心の病でもあり、これ!と言った明確な原因があるわけではありません。
ただ言えることは「窃盗症」に陥る原因の根底には少なからず、心を蝕む「大きな(ハードな)ストレス」が存在することは否めないようです。

窃盗症は治る!治し方や治療法はあります

「窃盗症」の治し方や治療法は大きく分けて2パターンあります。

【本人が家族協力のもとに治す方法】

これは「窃盗症」が軽度と判断された場合の方法です。
軽度と言っても本人一人の頑張りで治すには無理がありますので、ご家族あるいは知人友人の正しい理解のもと寄り添うことが大切です。

窃盗症について良く語り合い、モチベーション明確にするよう話し合うことが重要です。
そして買い物や外出は決して一人で行かせず良い意味で注意深く見守ることです。

仮に窃盗を犯してしまったとしても「また盗んだのか」という拒絶的な態度は厳禁です。
そういった反応は本人がさらに傷ついてしまい「窃盗症=クレプトマニア」が治癒するどころか、より悪化してしまう可能性が高いのです。

万一そうなった場合は次にご説明する通り「窃盗症」に正面から向き合うことをを最優先に考えてください。

【専門医に治療を委ねる方法】

何度も言いますが「窃盗症=クレプトマニア」は病気なのです。
病気であれば病院で受診することが当然ですよね?

仮にまだ「窃盗症」か判断できなくても一度でもそういった過ちを起こし、さらに二度三度と窃盗(万引き)を犯してしまったらこれはもう専門医にぜひ相談することです。
受診される場合は「精神科・心療内科」がベストです。

病院によって臨床心理士や精神科医といった専門家がサポートを行ってくれます。
しかし「窃盗症=クレプトマニア」など嗜癖性の障害は慢性疾患ですので、即完治と言うわけにはいきません。

「失敗を繰り返しながら治っていく病」と言うことを自覚することも大切です。

上述した私の知り合いの女性の場合はやはり家族のサポートだけでは限界があったため、専門医で治療を続けて完治させました。

まとめ

私たちが「窃盗症」と聞いても決して良い感情もイメージも持てないものです。
これは仕方がない反面、繰り返しますが「窃盗症は心の病」であることをくれぐれも理解して上げる必要があります。

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