犯罪を行うかまたは犯罪を疑われ、結果警察官や検察官に逮捕されてしまえば、その身柄が拘束されてしまいます。

身柄は起訴前は解かれることはありませんが、起訴後に「保釈保証金(以下保釈金)」を払い保釈されることができます。

ここではその「保釈金」について、簡単にわかりやすくお伝えします。

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保釈金はいったい何に使われるのか?

保釈金は一時預かり金のようなものですから、原則的は裁判が行われ判決が確定するかあるいは何らかの事情で保釈取消で保釈金が没収されない限りは、一時的に国で預かっておくものです。

何らかの事情とは保釈中に被告人が海外逃亡など企てたり、証拠隠滅を図ったりすることでありその場合は保釈が取り消されます。

さらに逃亡などによって再び身柄を拘束することができなくなったりすると(病気や死亡などは除く)裁判の継続が難しくなり全額没収されます。

没収された保釈金は国庫に入り、当然国の収入となって使われることになります。

そしてそのお金は一般会計予算に入り、その後国の政策経費などに充てられます。

保釈金はいったい何に使われる?

つまり没収された保釈金は、税金とほぼ同じ使い道と考えて良いかと思います。

保釈金の相場と最高額は?

では次に、保釈金の相場と最高額をお伝えします。
保釈金の相場の前に「保釈金の決め方」を知っておく必要があります。

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保釈金の決め方とは

保釈金の決め方とは「犯罪の性質」「情状酌量の程度具合」「犯罪の証拠の証明力の程度」をベースにした上で「被告人の性格や収入そして資産状況」などを考慮し保釈金額を算出します。

その根底の考え方として「保釈される被告人の逃亡の恐れがないような金額」と言って良いかと思います。

もっとわかりやすく言えば、

「保釈金を没取されてしまうと被告人が困る金額」

を設定すると言うことですね。

この保証金の決め方を元に「保釈金の相場」を考えた場合、単純に被告人の年収入の1/2~1/3と言えますが、ただこれもまた一概に言い切れません。

まず考慮されるのは被告人の職業です。

たとえば芸能人や有名なスポーツ選手あるいは知名度の有無などでも相場は変わってきますし、芸能人などは比較的高額な相場と言われています。

過去の事例を見てみますと芸能人では、新井浩文被告(2019.03現在)の保釈金は500万円です。

小室哲哉氏が3000万円羽賀研二が2000万円、元プロ野球選手の清原和博氏は500万円、有名人では故野村沙知代さんが5000万円です。

あのホリエモンこと堀江貴文氏は、なんと数回の保釈金が計6億円でした。

また「犯罪の内容や性質」も大きく考慮され、犯罪が悪質だったり社会的に悪影響を及ぼすようなケースも、相場より高くなると言われています。

ちなみに比較的安価な保釈金は、たとえば窃盗罪でしたら150万前後が相場となっています。

保釈金の最高額は?

では過去の事件による、被告人としての保釈金の最高額についてです。
以下億単位の保釈金があったケースをお伝えします。

◆保釈金20億円=浅田満(牛肉偽装事件)
◆保釈金15億円=末野謙一(住専資産隠し事件)
◆保釈金10億円=カルロス・ゴーン(日産特別背任事件)
◆保釈金6億円=許永中(イトマン事件)
◆保釈金5億円=村上世彰(村上ファンド事件)
◆保釈金3億円=堀江貴文(ライブドア事件)
◆保釈金2億円=田中角栄(ロッキード事件)
※敬称略

保釈金の相場と最高額

保釈金とは返ってくるものか?

保釈金とは、罰金でもなければ寄付金でもありません。

ですから先ほどお伝えしたように、逃亡を企てたり証拠隠滅などを図ったりしない、あるいは正当な理由がないのに出頭しないなどの行為がなく、無事裁判の手続きが終了となれば保釈金を預かっておく必要がなくなります。

そうなった場合は保釈金は納めた人に返金されます。
それは執行猶予の場合であっても、仮に実刑判決が出たとしても保釈金は返金されます。

いつ返金されるかと言えば、原則として判決の告知を受けたその日のうちには、保釈金還付の手続ができるようになっているそうです。

つまり保釈金とは一時的に、裁判所(国側)に預けおくものということです。

簡単に言えば銀行預金と考えても良いですが、さすがに利子が付くことはありません。

まとめ

毎日のニュースを見たり聞いたりしていると、よくこういった保釈金についての話題が取りざたされますが、保釈金については今回の記事でよくおわかりいただけたと思います。

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