ペットの死との別れは本当に悲しく辛いものです。
家族同然、いえ家族以上に愛情を持って接してきただけに、心が引き裂かれんばかりの思いにかられてしまいます。

筆者の体験談をもとにしたこのページがその悲しみや苦しみから、少しでも立ち直れるきっかけになれば幸いです。

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ペットロスとは?

ペットロスとは文字通り「ペットを失う事」ですが、愛したペットを失うと精神的にも肉体的にもいろいろな症状が起こるとされています。

そういった症状を「ペットロス症候群」と言いますが、これは死別だけを意味するだけでなく行方不明になった場合でも同様の症状が出るものです。

その症状をお話する前に「ロス症候群」について説明したいと思います。

ロス症候群とは?

ロス症候群は、自分にとって大切でかけがえのないものを失った時に起こる心身のトラブルを指します。

しかし現代では、深刻なロス症状よりももう少し軽い意味で「〇〇ロス」という言葉も使われるようになってきました。

たとえばドラマで好きだった登場人物が亡くなったときは、その登場人物の名前で「〇〇ロス」と言い表し「寂しい」とか「悲しい、残念」といった感情を表現する言葉として気軽に使われているようです。

同じように好きな芸能人やタレント、歌手が結婚を発表したりすると、その人の名前を冠にして「〇〇ロス」と表現するようになりました。

こういったことで「ロス」という言葉がより浸透してきたのではないでしょうか。

ペットロス・・愛犬の死や飼い猫の死はそんなに軽いもの?

「〇〇ロス」「ペットロス」も当てはまると感じがしますが、ペットとの現実的な別れはやはりそんなに軽いものではなく、一緒にされたくないと感じる人もいるかも知れません。

ところで「〇〇ロス」「ロス症候群」とは似て非なるものであって「ロス症候群」とは心身症などのうつ病のような症状が出る疾患のことです。

つまり「ロス」「ロス症候群」では心身に及ぼす影響がまったく違うのです。

ロスとひと言で言い表しても、単に失ってしまった喪失感や悲しみを感じているというケースと、喪失感ダメージが深刻で重大な精神的かつ身体的不調をきたす場合とがあります。

これこそが「ロス症候群」と言えます。
愛するペットを亡くしたり失った時は喪失感が大きく「悲しい」という感情が膨れ上がり、それを長く引きずってしまう場合は「ペットロス症候群」と呼ばれるのです。

つまりペットを失ったストレスが契機となって発症しますので、精神的な症状と身体症状を伴う場合も少なくありません。

最近ではこのような精神疾患や身体的障害が起こる原因として、飼い主のペットを伴侶動物(コンパニオンアニマル)としての位置づけられるようになったのです。

ペットロス症候群の症状とは

ペットロスによっておこる症状は様々ですが、いずれにしてもペットを失った悲しみがストレスになり、あるいはショック状態を引きずっていますのでうつと同じ症状が認められます。

深刻な場合ですと、情緒不安定、疲労や虚脱感、無気力、めまい、摂食障害(拒食症や過食症)あるいは錯覚、幻覚、妄想、胃潰瘍など消化器系疾患まで出ることがあります。

仮にそこまで深刻でなくても以下のような症状が当てはまれば「ペットロス症候群」と言えます。

1、深く落ち込んでしまうため何もしたくなくなる。
2、仕事や趣味にも何にも関心がなくなり興味が持てなくなる。
3、日常生活でも何も楽しめず、喜べなくなる。
4、食欲もなく眠れなくなる。
5、常にだるさを覚え、何に対しても集中力が湧かない。
6、それを自覚してもやる気がでない。
7、ペットに対しての自責感や罪責感に苛まれる。

ペットロス症候群は愛犬や愛猫を愛するほど深まる

ロス状態が進行すると、さまざまな症状が出ることはご理解いただけたかと思います。

これは今までペットと共に過ごす日々に培われた深い愛情が、突然に訪れてしまったペットの「死」または「行方不明」などによって起こると言うことです。

引き起こされる症状の程度については個人差がありますし、たとえば子育てを終えた熟年夫婦にとっては、そばにいるペットこそが我が子同然の存在になっていることがあります。

ですからペットを失ったショックもまた非常に大きいものです。

ペットロスが長引く原因とは

大切なペットを失って悲しいという感情は誰しもが感じて当然ですが、こういった負の感情がなかなか回復せず、いつまでもロスが長引いてしまうのはなぜのでしょうか?

精神的に強い、弱いといった個人差だけではなく、そこにはペットとの関係性に大きな原因があります。

極端な例ですと「ペットが存在したからこそ、自分が成り立っていた」という強い「依存心」が強いほどロスの症状は深くそして長くなるものです。

「依存心」は決して悪いわけではないですが、それだけ深い愛情をかけて常に接し続けてペットと過ごした時間が長いほど、喪失した時には自分の存在をも見失ってしまいかねません。

つまり自己制御が出来なくなり、感情のコントロールさえもできなくなるのです。

ペットロスから立ち直るための克服法

ペットロスから立ち直るための克服法ですが、もちろんこれはホイホイとお話するだけで立ち直るような簡単なことではありません。

まず言いたいことはペットロスとは、大切な存在を失った時の悲痛感は誰しもが体験する正常な感情体験であり、本来でしたら何ら問題があるようなことではありません。

しかし、そんな感情体験もいつまでも引きずって長引いてしますとロス症候群へ進行してしまい、結果的に精神的にも肉体的にも大きな疾患をもたらすことになります。

そのような不幸な状態にならないためにも、ペットロスから一日でも早く立ち直って欲しいものです。

まず、すべきことは「心の整理」です。
大切な存在を失った人は、心が千々に乱れていますから、順番に心を整理して整理した内容をもう一度自身に言い聞かせることです。

それが段階を経て進んで行けば、回復に向かって行くものです。

心の整理の段階を踏んで行くこととは、

1、ペットの死や別れを素直に受け入れること。
2、それでもなお喪失感を感じるのは仕方のないこと。
3、ペットと言う存在がなくなった日常生活や環境に慣れて行くこと。
4、良き思い出として心に仕舞い込めるようになって行くこと。

この中でもっとも大切なことは、最初の項目である「事実と喪失感は素直に受け入れること」です。

症候群のひとつとして、ペットがいなくなった事実を受け入れたくないあまり、あたかもまだペットが存在するかのように声に出したり振る舞ったりすることがあります。

つまり、いなくなったことを認められずにいるため喪失感がどんどん心の中で大きくなり、ハタと気づくと心がパニックを起こしてしまい、最後には完全に無気力になってしまいます。

ペットロスへの思いを素直に言葉にすること

こういう段階で、自分1人では心の整理ができないと感じたなら、信頼する人に自分のペットへの思いを素直に打ち明けることで心の整理をすることができます。

たとえ無駄かも知れないと思っても、不思議なことに話すことで心が整理されることがあるのです。

話し続けることで「今後自分はどうすればいいか」が見えることも少なくありません。

もうひとつはペットの写真に向かって語りかけることです。
話すコツとしては、話の視点を相手(ペット)目線ではなく自分目線で話すことがとても大切です。

つまり「あなたは飼い主が私で良かったのか?」「あなたは幸せだったのか?」とペット側に立つのではなく「あなたの飼い主で良かった」「あなたと過ごせて幸せだった」
と自分の気持ちだけを素直に言葉にすることですし、いろいろな楽しい思い出を口にすることでも構いません。

「あの時は楽しかったね。あなたがあんなに喜んでくれて私も嬉しかった」「あそこに行った時は本当にあなたも喜んだし、大はしゃぎしたね」

たくさん泣きながらいろいろな思い出話を語り掛けて、そして最後にこう言ってください。

「あなたと過ごした時間は本当に幸せだった。ありがとう」
そうです「ありがとう」を言って上げてください。

その言葉が一番ご自分の心の薬になるはずですし、感謝の想いは、悲しみを包み込んで温かい気持ちに少しずつ変えて行くものです。

気持ちが温かくなったら辛い喪失感から、一歩前に進むことができるはずです。

あなたが悲しみに暮れて、日常生活を台無しにして、心も体もボロボロになることをペットは望んでいると思いますか?むしろ悲しんでいると思いませんか?

あなたが大切にしていた存在は、あなたが元気に生活して行くことを望んでいいるのです。
それだけは忘れないでください。

ペットは天国で見守っていてくれる、そう信じて元気を出す勇気を持つことがペットへの本当の供養になります。

このテーマのまとめ

ペット失った事実を受け入れて、たくさん泣いて、そして気が抜けたようにぼんやりして・・
それでいいのです。

それで少しの間だけ心折れた時間を過ごしたら、そこから少しずつペットへの感謝を「ありがとう」と言葉にすることです。

何よりあなたが前へ進んでいくことこそが、感謝を形で表すことになるのです。

ペットとの思い出は、あなたにとって何よりもかけがえのない財産となるはずです。

 

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