多汗症は文字通り「汗を多くかいてしまう病気」であり、特に暑いわけでもなく(冬であっても)また激しいスポーツをしたわけでもないのに多量の汗が噴き出す症状です。

これは身体内の汗のメカニズムが異常になっている状態です。
それほど知られていない病気のひとつですが、多汗症は男女問わず悩まされている方が少なくありません。

ここでは多汗症の原因や治療法について紹介したいと思います。

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多汗症の原因と治療法

「多汗症」とは、手のひらや足の裏、脇や頭、顔などから大量の汗をかく症状のことを指しますが、症状がひどくなると汗によって書類やノートなどが破れてしまったりもします。

じつは多汗症は日本人の7人に1人が症状を自覚していると言われています。

しかしひと口に多汗症と言っても、身体的に原因となる病気などがあって起こる続発性多汗症と、明らかな原因が不明で起こる原発性多汗症と言われるものがあります。

そう言う意味では、身体的な原因がハッキリしている多汗症の場合は比較的治療もしやすいのですが、明らかな原因が分からず心因性によるもの・・

ストレス過多や強度の不安や緊張の持続などが原因の場合は、治療法もまた違って来ます。

ここでは身体的な問題としての多汗症の原因を挙げてみたいと思います。

多汗症の原因

1、肥満によるもの
2、食生活の乱れによるもの
3、喫煙によるもの
4、ホルモンバランスの乱れによるもの
5、更年期障害によるもの
6、バセドウ病によるもの
7、自律神経失調症によるもの
8、糖尿病によるもの
9、急性リウマチによるもの
10、遺伝や体質によるもの

原因を追求した場合、比率的にはそれぞれ偏りがあるものもありますが基本的にはこの10項目が多汗症の原因として挙げられます。

多汗症のセルフチェック法

多汗症かどうかお悩みの場合は、以下の項目をチェックしてください。

2つ以上当てはまるものがあれば、多汗症の可能性がありますので要注意です。

1、両手のひらや両足の裏、また両脇の下と言った感じで左右対称に多汗の症状が出る。
2、ふだんの生活において支障をきたすくらい大量の汗が出ることがある。
3、上記のような症状が週に1回以上ある。
4、人より多く汗をかくことに気づいたのは25歳以下である。
5、昼に大量の汗をかいても寝ている時はそれほど汗をかかない。
6、家族や身内あるいは近い親戚に多汗症の人がいる。

日常生活に支障をきたす、と言ってもそれがどんな感じかと言いますと・・

1、汗を拭くためのハンカチやタオルが毎日一瞬たりとも手放せない。
2、汗沁み気になって着たい服がどうしても着られない。
3、汗で紙がふやけたり破れたりして勉強や仕事がはかどらない。
4、汗が気になって人間関係がなかなかうまくいかない。

多汗症の治療法

病院において多汗症の治療法としては以下の通りですが、それぞれの治療に長所と短所があり、残念ながら決定的な治療法はありません。

1、外用薬としては塩化アルミニウム液、塩化ベンザルコニウム液などが使われ、外用薬は1日1回就寝前に使用します。
2、水道水イオントフォレーシスは手のひら、足の裏、腋の下の多汗症の治療に適した方法で、多汗部位を水道水に浸し、直流電流を流します。
3、ボツリヌス毒素を皮内に注射すると注射した場所には汗が出なくなりますが、効果は3~4ヶ月続きます。
4、手のひらの多汗の症状が強い場合には、胸腔鏡を使った胸部交感神経節遮断術があります。

自分でできる多汗症対策

多汗症かなと自覚して汗が止まらないという方の対策を以下に挙げてみます。

1、ツボを押す方法
手にあるツボを押すことで少しは汗を抑える効果が期待できます。

「ごうこくのツボ押し」親指と人差し指との間の肉の所の骨があるところあたりを押します。

「いんげきのツボ押し」手を内側に向けた時に手首の左手でしたら脈の出ている逆側、右側のあたりを押します。

2、身体の温度調節をする方法
保冷材や湿らしたタオルなどを使い、首筋の後ろを押さえて冷やします。

外出先では保冷剤を持ち歩ければいいのですが、ハンカチをなるべく冷たい水で湿らし首筋にあてるだけでも効果はあります。

首を頻繁に冷やすことで体温調整ができますので多少汗を抑えることが可能になります。

あるいは冷たいペットボトルなどで手首や肘を冷やすと体は冷えますので、汗が出にくくなります。

3、漢方で治す方法

漢方薬は副作用も比較的少なく時間はかかりますが効果があると言われています。

多汗症に効果があると言われている漢方薬は、汗をかく部位別に効能が違うものもあり、たとえば顔や首に汗を良くかく方、寝汗を良くかく人向きであるとか、自律神経や更年期の影響によって汗をかく方向き、また手や足の裏あるいは頭に汗をかく人や喉がよく渇き尿が多く汗をかく人向きなど、があります。

多汗症の原因、顔汗が一番恥ずかしい?

多汗症で一番悩まれるケースがじつは「顔汗」です。
大量に汗をかいてしまうとすぐに目立つ場所だからです。

当事者にとっては大きな悩みであり、特に若い人や若い女性ならなおさらです。

しかし「別に汗をかいてもいいじゃない?」「汗をかくのはあたり前」と思う気持ちこそが、大切なことです。

仮に汗をかこうと周囲はそれほど気にはしないものです。
また最初からタオルハンカチを持って「私汗っかきだから」と、宣言するのもありじゃないでしょうか。

多汗症の原因、手汗とは?脇汗とは?

手汗は「手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)」と言って手のひらに多汗の症状が出るものです。

また「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」とは脇の下に多汗の症状が起こります。

ちなみに頭部・顔面多汗症頭皮や顔頭部にも同様の症状が起こり、また「足蹠多汗症(そくせきたかんしょう)」は足の裏に多汗の症状が起こります。

「掌蹠多汗症(しょうせきたかんしょう)」とは手のひらと足の裏の両方に多汗の症状が起こりますが、これらの多汗症のうち特に脇・手のひら・頭部に多くの汗をかく症状が多いとされています。

しかし多汗症でもっとも多い原因はやはり「精神的なもの」と言われています。

「汗をかいたらどうしよう!」とか「自分だけ汗をかいていて恥ずかしい!」

こういったメンタル的な焦りが、ますます多汗症が引き起こしている場合が多いのです。

このテーマのまとめ

多汗症をコンプレックスに感じている人も少なくないようですが、上述した漢方であるとかあるいはサプリメントにしても、優秀なものはあります。

なかなか人に相談できず悩まれているならこういった優良商品に頼るか、どうしてもダメなら医師にご相談されることをお勧めします。

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