男性女性を問わず「便秘」は人に言えない辛い悩みの一つですが、便秘とは腸内に便が長期間溜まった状態のことであり、これは「腸内に腐ったものを溜め込んでいる」ことですから、腸内細菌に大きな悪影響を与えることになります。

溜まった便が餌となってクロストリジウムなどの悪玉菌が増殖してしまい、発癌物質や発癌促進物質などの有害物質が作られかねないからです。

このページでは便秘解消のための改善策や食事の見直しによる対策法をお伝えします。

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便秘解消のための改善策とは?

便秘解消のためのいくつかの改善策に入る前に、便秘とは何日以上排便がない場合を指すのでしょう?

「3日以上排便がなければ便秘」と言った定義づけされた話を耳にしますが、まずこれは間違っていると考えてください。

普通に3回の食生活を送っているなら、排便は1日1回が基本なのです。

体内が良好な腸内環境であるなら、食べたものの消化から排便までの時間は、通称24時間が目安ですからやはり24時間以上排便がない状態が繰り返されれば、「便秘症」と言うことになります。

とは言え人それぞれの体質的な問題もありますから、仮に一日おきであっても必ず排便サイクルがあるなら、それはそれで大きな問題ではないと思います。

あるいは週に3回以上は、すっきり排便ができて便がある程度軟らかいバナナ状なら、大腸が健康な証拠と言えます。

問題は「2日あるいは3日以上排便されないことが、繰り返し何度も続く」ことです。

また、毎日排便があったとしても量が少なかったり、便が硬かったり残便感があってすっきりしない場合は、これもまた便秘と言えます。

便秘解消のための改善策

便秘の場合便秘薬に頼るのが一般的と思われがちですが、薬に頼るとついつい習慣化することがあります。

優秀な市販の便秘薬も出回っていますが、ここでは薬に頼らない解消法なり改善策をお伝えします。

1、うつ伏せからゴロゴロ転がるエクササイズ
うつ伏せになるというのはじつは便秘に、大きな効果をもたらすことがあります。

便が蓄積される腸は複雑に入り組んでいますので、腸の働きが弱まると便を押し出す力が出て来なくなりますから、うつ伏せになることで腸が圧迫されます。

そうすることで小腸は直接刺激を受けますので、さらにそこでゴロゴロと寝転がります。

うつ伏せの姿勢を1日最低10分以上続けて、そしてゴロゴロ寝を10回行って腸へ圧迫と刺激を続けることで、便意を促すのです。
便秘解消の体操の中では比較的簡単で、効果が出やすいと好評のエクササイズです。

2、お腹まわりを捻転(ねんてん)させるエクササイズ
次にお腹まわりから腰にかけてのエクササイズで腸を刺激する方法です。

1)まず床に座ったら左足を立て、右足はまっすぐ伸ばし、左足持ち上げて右膝の外側に置きます。

2)右手の肘を左足の膝の外側へ当てるようにしますが、難しかったら右手で左膝をつかむだけでもかまいません。

3)そのままゆっくり上半身を左側へねじって行き、限界まで行ったらそのまま10秒間姿勢をキープします。

4)反対側も同様に行ってこれを3セット繰り返し行います。

お腹から腰回り、股関節あたりまでしっかりねじると、腸の活性化に繋がります。

簡単なエクササイズですが毎日1回やるだけでも、便通を良くすると言われていますので、ぜひ続けてみてください。

3、腹筋を軽く鍛えるエクササイズ
便秘症の方の共通点は「腹筋が弱い」と言われていますが、その理由は便を押し出す力が腹筋に関係するからです。

ここではそれほどハードではない、腹筋を鍛えるエクササイズを紹介いたします。

1)仰向けになって寝たら両手を胸の前で交差して、両手はそれぞれ肩をつかみます。

2)そのままの姿勢で脚を持ち上げ、膝を90度に曲げて空中でキープします。

3)そこからゆっくり頭を持ち上げ上体を少しだけ起こして、頭を膝に近づけるようにします。

そして10秒キープで元の姿勢に戻して、これを5セット繰り返し行います。

便秘解消のための食事法とは?

では、便秘の解消に効果的な食事法(食べ物)をご紹介します。
便秘解消に効く食べ物として第一にあげられるのは、ご存知のように「食物繊維を多く含む食材」です。

食物繊維は2種類あります

食物繊維には種類が2つに分かれ、それぞれ働きが違いますので食物繊維さえ摂れば良いということではありませんので、ご注意ください。

【水溶性食物繊維】果物や海藻類などに多く含まれていて、腸の中で柔らかい便を作ってくれるので、排便しやすくする効果があります。

【不溶性食物繊維】穀物や根菜などの繊維質の多い野菜や豆類を多く含まれていて、水に溶けずに水分を吸収して膨らみますので便そのものを増やして腸管を刺激し、腸や消化管などの臓器の収縮運動を高める働きをすることで、排便がしやすくなります。

便秘の予防と解消のためには、腸が緊張状態にある痙攣性便秘タイプの人は水溶性食物繊維を多く摂って、便を柔らかくすることで排便が楽になります。

また腸が動かない弛緩性便秘タイプは、不溶性食物繊維を多めに摂って腸の動きをよくすることで、便秘解消が期待できます。

便秘予防には、この2種類の食物繊維をバランスよく摂ることが重要になってきます。

便秘解消に効果的な食べ物

プルーン・・
2種類の食物繊維をバランスよく含んでいて、便秘解消に役立つ成分ソルビトールも含んでいます。

この成分は大腸の水分吸収を抑え、便が固くなるのを防いでくれます。

バナナ・・
食物繊維が豊富に含まれていて、さらに善玉菌の餌になるオリゴ糖を多く含んだ食材です。

リンゴ・・
リンゴにはアップルペクチン多く含まれていて、整腸効果が高いとされて腸内環境を改善する働きをします。

アップルペクチンは実よりも皮に多く含まれていますので、リンゴを皮ごと食べるのが効果的です。

オリーブオイル・・
オリ-ブオイルの主成分オレイン酸は小腸で消化、吸収がされにくく、大腸で腸管を刺激しますので排便作用を促してくれます。

さらに、オイルは潤滑油の役割を果たして排便をスムーズにしてくれると言った働きもします。
大人の場合ですと朝晩毎日大さじ1杯ずつ摂取すると効果的です。

ヨーグルト、チーズ(乳酸菌)・・
善玉菌を増やす代表的な食材で腸内環境を整え、腸の働きを活発にしてくれます。

なおチーズはプロセスチーズではなく、加工されていないナチュラルチーズがおすすめです。

ぬか漬け、キムチ、納豆、味噌(発酵食品)・・
発酵食品もまた腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える作用を持っていますので積極的に食べて欲しいです。

便秘解消にとっておきの食材

最近知られるようになってきましたが、便秘解消に非常に効果的と言われているのが「粉末オリゴ糖」です。

シロップ状のものではなく「粉末」のオリゴ糖です。
この「粉末オリゴ糖」を先ほど挙げた「便秘解消に良い食材」「粉末オリゴ糖」を入れて摂取することです。

たとえば「ヨーグルト+粉末オリゴ糖」「乳酸菌飲料+粉末オリゴ糖」「海藻類サラダ+オリゴ糖」
「味噌汁や納豆+粉末オリゴ糖」などです。

この食事法でかなり重度の便秘の方が、2~3ヶ月で便秘が完全解消できたと言う報告が数多く上がっているそうです。

もちろん個人差がありますので一概には言いきれませんが、試しても損はない食事法かと思います。

食事内容の見直しは、便秘解消の第一歩ですから、意識して毎日の生活に摂り入れてください。

便秘解消のための根本的な対策法とは?

便秘が続くと、溜まった便が生み出す有害物質はどんどん腸壁から吸収されて、血液中を巡ります。

これは体調不良や肌荒れ、そしてさまざまな病気に繋がると考えられています。

一般的な便の水分量は80%ですが、大腸に長時間とどまっている便から水分がどんどん吸収されていくため、70%以下になってどんどん硬くなってしまいます。

固くなると余計に腸内で動きにくくなり、便はますます溜まる、と悪循環に陥ってしまいます。

そう言う意味でも「1日1回の排便」を目指すべきです。
1、2種類の食物繊維をよく摂ること。
2、生きたビフィズス菌や乳酸菌を摂ること。
3、ウォーキングなどで排便のための筋量をつけること。

テーマのまとめ

現代社会において、便秘を始めとする排便リズムの乱れに悩む人はかなりの数に上ると言われています。

特に女性の約6割が便秘に悩んでいたり、あるいは便秘気味という結果も出ています。

年々増加していると言われている便秘ですが、その原因は食生活の多様化や生活習慣の乱れによるもの、あるいは運動不足などが挙げられます。

便秘になると仕事も運動もなかなか集中できず、楽しいはずの食事だって美味しくなくなるものです。

いろいろな便秘解消法を試してみて、ご自分に合ったやり方を見つけましょう。

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