アトピー素因などによって「アトピー性皮膚炎」を発症しますが、その原因は未だすべて解明されていないのです。
なお、アトピーという用語は「特定されていない」あるいは「奇妙な」と言う意味を持つ意味ギリシャ語からきています。
反復的にかゆみを伴う湿疹が症状として出るのが常で、ここではそのアトピー性皮膚炎の原因や遺伝について、また保湿や食事の重要性などについて、詳しくお伝えします。
目次
アトピー症状の原因と遺伝について!
【アトピー性皮膚炎の原因を探る】
アトピー性皮膚炎の原因については前述したように未だ解明されていませんが、
「皮膚のバリア機能が低下して乾燥状態に陥った時、アレルゲンと言うダニやほこり、食べ物などの体内への侵入によって引き起こされる」
とされています。
またそういった状態にストレスなどのさまざまな環境的要因が重なって起こる、とも考えられています。
アトピー性皮膚炎の特徴としては、原因や症状には個人差があるため症状を悪化させる要因も人それぞれ異ってくるのです。
【アトピー性皮膚炎の主な症状とは】
アトピー性皮膚炎の主な症状は、長く続く湿疹が挙げられます。
湿疹が治ったかと思うと、また湿疹がひどくなって表れる、と言ったことが繰り返されます。
また湿疹が左右対称に出るのが特徴と言えますが、特に肘や膝といった部分に顕著に症状が出やすいと言われています。
症状の特徴としては、
「我慢できないくらいのかゆみが出て、そのため一日中同じところ掻き続け、さらには血が出るくらいの勢いで掻ことがある」
ものです。
部位としては、額、目や口の周り、耳、首、手足の関節部分に症状が出やすいとされています。
症状が出た皮膚の特徴としてはカサカサした状態やジュクジュクする感じと表現されます。
アトピーは遺伝するもの?
気になるアトピーの遺伝ですが、じつは日本人の約10%がアトピー素因を持っていると言われているのです。
そう言う意味ではアトピーは比較的発症確率の高い病気、と言わざるを得ません。
そしてアトピー体質が子どもに遺伝する確率ですが、
・両親のどちらかにアトピー体質がある場合・・約30%、
・両親がどちらともアトピー体質がある場合・・約50%
となっているのですが、両親あるいは祖父母ともにアトピー体質ではないにもかかわらず、子どもが発症してしまうケースがあります。
アトピー体質の遺伝問題は、複数のパターンが複雑に組み合わさっているため、両親がアトピー体質でないからと安心することはできません。
逆に両親がアトピー体質であったとしても、100%必ずしも発症するわけではありません。
アトピー症状の原因は保湿に問題あり?
アトピー性皮膚炎の症状が出ている方の共通点は、きちんと保湿を行っていないケースが散見されます。
保湿の有無が必ずしも痒みの原因ではありませんが、やはり乾燥肌をそのままにしておけばアトピーの症状はますますひどくなります。
保湿の重要性を忘れないでください
なぜアトピーの症状を緩和するために保湿が必要かと言えば、その答えは皮膚の角質層にあるためで、角質層の水分保湿力が低下することで乾燥肌になり痒みがヒートアップするのです。
アトピーでない人とアトピー性皮膚炎の方の皮膚を≪比べますと、角質と角質の間の皮脂が不足していて皮膚の表面から、乾燥しやすい状態になっていることが挙げらます。
じつは肌の水分保持力もバリア機能の低下も「セラミド(皮脂)不足が原因」と、一般的に考えられています。
皮膚の細胞と細胞に存在するセラミド(皮脂)が不足することで、肌の水分がどんどん乾燥してしまいますので、当然皮膚の表面も乾燥状態になります。
このセラミド(皮脂)が不足することで、アトピー性皮膚炎の人の皮膚の水分保持力、バリア機能が低下してしまい乾燥肌や痒みの原因となっているのです。
バリア機能とは、角質層のセラミド(皮脂)が外部からの異物(刺激物)の侵入を防ぐ、と言う働きをしています。
バリア機能が低下すると、異物が侵入しやすくなるためアレルギー反応が起こりやすくなります。
つまり、アトピーの症状がある場合は肌や角質層の保湿は大変重要であると言えます。
痒さを軽減させるために、またバリア機能も助けるためには角質と角質の間にセラミド(皮脂)を、十分に蓄えて保湿してあげることを忘れないでください。
保湿のための正しい知識を知っておきましょう
傷などがない場合で、乾燥の症状が出ている肌には化粧水で水分を与えることです。
クリームで保湿することをおすすめしますが、クリームケアの後にすぐに乾燥してしまう場合は、クリームをオイルに変えるようにしましょう。
【強い乾燥肌の場合】
傷や炎症などはない場合でも、乾燥がひどいと判断したら化粧水で水分を与え、クリームで保湿しますが、さらにワセリンやシアバターのような固形オイルまたは、ホホバオイルのような濃度のあるオイルを薄く塗るようにしましょう。
【傷や炎症があり強い乾燥肌の場合】
傷または炎症あるいはひび割れなどがある場合は、オイル系のケアが向いていますが、傷がない部分には通常の化粧水、クリーム、オイルの順でケアします。
化粧水で傷が沁みたり痛みを感じる場合は、ミネラルウォーターをそのまま塗ってケアするのも効果的ですが、ただこの段階になると自宅でのケアだけでは不十分である場合が多いですから、皮膚科を受診して医師の診断の元で、適切な治療法や投薬を受けることが大切です。
アトピー症状の原因は食事に問題あり?
アトピーの症状がある人はまず以下の点を心掛けることが大切です。
体は消化のためにエネルギーを使い続けていますので、なるべく休ませることがポイントです。
2、季節の野菜をたっぷり食べることがおすすめですが、その理由は野菜には季節に合った働きがあるからです。
たとえば夏野菜は体を冷やしてくれますし、逆に冬野菜は温めてくれるものです。
3、化学調味料系はなるべく使わない食事を心がけることです。
理想は自然に作られた昆布や鰹節などの調味料がベストです。
また醤油やみりん、味噌にも添加物が多く含まれているものあります。
毎日口に入れるものだからこそ、化学的なものが入ってない調味料を選ぶことが肝心です。
購入する際に成分表示を見て確認してみることをおすすめします。
なるべく避けたい食材とは?
以下の食材は比較的アレルギーが出やすい食材とされていますので、なるべく避けた方が良いと思います。
・牛乳、タマゴ、ナッツ、チョコレート、魚介類、牛肉、豚肉、羊肉、ラーメン、カレー、酒、チョコレート、
・蕎麦、一部の穀類、砂糖類、餅、豆類、オレンジ、バナナ、イチゴ、コーヒー、ナッツ、ケーキ
積極的に食べたい食材とは?
以下の食材はおすすめですので積極的に食べるようにしましょう(過剰摂取は禁物です)
・ヨーグルト、漬物、海藻、ごぼう、にんじん、青魚、玄米、アロエ、青汁、ハマチ、ブリ、マグロ、サケ、
・ほうれん草、にら、たまねぎ、甜茶、ルイボスティー、ハマチ、栗、くるみ、えごま油、
・レバー、オレンジ、ぶどう、ヒジキ、牡蠣、にしん、しそ、ピーマン、りんご、
このような食材を食べることを心掛けながら、自分のアトピー症状に合った食事を見つけてみるのも良いことです。
食事を意識すると、「これを食べたら痒くなる」あるいは「胃が重くなってしまい眠くなる」など気づくこともあるはずですから、そういった食材はなるべく避けるようにしてください。
アトピーの実態とは?
よく聞く話ですが、アトピー性皮膚炎であるお子さんを湿度の高い田舎に遊びに行かせた時アトピーが改善し喜んだのですが、また帰宅するとアトピーも戻ってしまったと言うケースです。
この場合はやはり地域の湿度が原因していると考えられます。
あるいは田舎の食べ物が関係していることも考えらますし、自然豊かな環境でのきれいな空気が関係しているのかも知れません。
いずれにしてもアトピーの原因物質は人それぞれですから、保湿もそうですし食事もすべて見直すことが大切、と言うことです。
このテーマのまとめ
アトピー性皮膚炎をおこす原因物質を特定することは難しく、はっきりとした原因は未だに不明と言うケースがほとんどです。
しかし直接的な原因がわからなくとも人それぞれに対処、対応することはできるはずですし、アトピーは環境やライフスタイルと密接に関わっているため、発症しにくい環境を作ってあげることが重要です。