ここ最近また大相撲の人気が復活しています。
特に「スモジョ」と呼ばれる女性ファンが急増しているようです。
そこで気になるのが勝ち名乗りを上げられた力士に、軍配(行司)から手渡される懸賞金です。
ここでは大相撲の懸賞金の決まり事や、最多金額などについてわかりやすくお伝えします。
目次
大相撲の懸賞金って一口いくらでしょう?
大相撲の懸賞金についてまず最初にお伝えしたいことは、
「大相撲の取組ごとにかけられる懸賞金は、個人での申し込みはできない」
という規則についてです。
つまり懸賞金は企業やその他特定の団体が、かけることのできるお金なのです。
そしてその金額ですが「一口6万2000円」とこれもまた決まっています。
さらに条件として「1日1本以上1場所15本以上をかけること」となっています。
つまり、各企業や団体は最低93万円が必要になるということですね。
そして現在では取り組み一番につき「懸賞金は50本まで」と、制限が設けられているのです。
相撲の懸賞金の気になる最多・最高金額は?
大相撲の懸賞金の一口当たりの金額が6万2000円となっていて、それが50本までとなれば、最多・最高金額もおのずとわかるものです。
50本×6万2000円=310万円!?
いえいえ、残念ですがそうではないのです。
と言うのも懸賞金は勝ち力士に、全額が手渡されるわけではありません。
全額力士に手渡されないとしたら、どこにそのお金は消えてしまうのでしょう?
故・横綱輪島関によって変わった懸賞金のルール
大相撲の懸賞金ですが勝ち力士へ渡される懸賞金は、じつは1本当たり3万円になります。
残りの32000円はどこに行くかと言えば、まず5300円は日本相撲協会のさまざまな事務経費として差し引かれます。
これはともかくさらに2万6700円はなんと納税充当金として、日本相撲協会が懸賞金を獲得した力士名義の、預り金として天引きすると言うのです。
税金分を先に天引きするという決まりは過去にはなかったのですが、それを規則化した要因はあの大横綱輪島関にありました。
輪島関は取り組みで勝利して得た懸賞金を、毎晩のように豪遊で遣い切り一銭も残さなかったそうです。
そのため後日納税を促されたにも拘わらず、手元にはお金が残っていなかったとのこと。
そのため相撲協会が慌てて税金を肩代わりしたことから、これを教訓として懸賞金にはあらかじめ税金分を差し引いて、力士にと渡すことにしたのです。
さらに力士の懐に入る懸賞金も今では、日本相撲協会が預かります。
そしてその懸賞金は力士の引退後に、本人に渡されることになっています。
これまでの最多懸賞金の取り組みは?
これまで50本以上の懸賞金が付いた取組は過去6度あります。
さらにこの50本の上限とは別枠として、来館したファン投票で決まる懸賞金に「森永賞」と言う懸賞金があります。
つまり1番あたりの懸賞金の最多本数は、正確に言えば51本となるのですね。
ところがこれもまた相撲協会の判断によって、懸賞金が集中する大一番ともなると、別枠で懸賞金を増やすこともあるのです。
過去の取り組みで行けば2015年1月場所の、横綱白鵬対横綱鶴竜の懸賞金は何と61本!
金額は183万円と超高額となりました。
なお、これまで50本以上の懸賞が掛けられた主な取組ですが…
◆61本=「白鵬:鶴竜2015年1月場所千秋楽」
◆51本=「朝青龍:白鵬2006年9月場所千秋楽」
◆50本=「白鵬:朝青龍2009年9月場所千秋楽」
◆50本=「白鵬:朝青龍2010年1月場所千秋楽」
◆50本=「白鵬:日馬富士2010年3月場所千秋楽」
◆50本=「白鵬:魁皇2011年1月場所千秋楽」
◆50本=「白鵬:栃煌山(2015年1月場所初日」
お気づきでしょうがこの50本以上の懸賞金が掛かった取り組みすべて「横綱白鵬関」がからんでいます。
ちなみに懸賞金の総獲得金額で行けば、白鵬関が1年間で1億5000万円となっているそうです。
相撲の懸賞金の受け取り方
勝った力士が勝ち名乗りを受けてのちに行司からこの懸賞金を受け取りますが、その時に「手刀(てがたな)」を斬る所作がありますね。
この「手刀を斬る」意味ですが、
「五穀の守り三神に感謝する礼儀」とされているのです。
三神とは、向かって左が「神産巣日神(かみむすびのかみ)」
右が「高御産巣日神(たかみむすびのかみ)」
そして真ん中が「天御中主神(あまのなかぬしのかみ)」
とされているのです。
そして、軍配行司に向かい「左⇒右⇒中」の順番に手刀を切って、懸賞金を受け取るのが力士の所作なのですね。
この記事のまとめ
日本の国技でもある大相撲は、古来より庶民に愛され親しまれてきました。
時代によって大人気を博することもありましたが、一時その人気に陰りが出たこともありました。
世の中の景気の左右されることもありますが、ここに来てまた大相撲はその人気を復活させています。
モンゴル力士の活躍に押され気味でしたが、日本人力士も数多く頑張っていますので、日本人としては熱いエールを送りたいものですね。