ここ数年、節分に恵方巻を食べることが一般的になってきました。
恵方巻とは節分にその年ごとに定められた方角(恵方)を向いて食べると、縁起が良いとされている太巻き寿司のことです。
地方によっては、恵方寿司、丸かぶり寿司、吉方巻とも呼ばれています。
目次
ところで節分って何?
節分と聞くと2月3日を指すと思っている方が多いと思いますが、じつは節分は年に1度だけではありません。
節分の由来と意味は、もともと「季節を分ける」という意味があります。
つまり、春夏秋冬の季節の始まりはすべて節分と考えてください。
1年に4回それぞれの季節の始まりの日・・春でしたら立春、夏なら立夏、同じように立秋、立冬の前の日が節分の日となります。
節分に豆まきの由来
この4回の節を分ける日を節分と言いますが、やはり一番良く知られているのが立春の前日の2月3日と言うことです。
なぜこの日が良く知られるようになったかと言うと、日本古来より「立春が一年の始まり」とされていたからです。
一年の始まりはどうしても元日と考えがちですが、本来はこの日が一年の始まりでありそのため豆まきや恵方巻と言った行事がよく知られるようになったと言うことです。
一年の始まりが立春ということは、その前日は今でいうところの「大晦日(おおみそか)」ですから、この日に一年の厄払いを行って新しい年を迎える意味で、厄除け=鬼(厄)に豆まきをして追い払うようになったのです。
節分に恵方巻を食べる由来
恵方巻は縁起物のひとつですが、その発祥や由来は謎のままのようです。
ただ恵方巻を食べる理由としては、もともとは太巻きには7種類の具材を使うとされていました。
7という数字は昔から七福神に関係した縁起物とされてきました。
とは言え節分に恵方巻きを食べる習慣は日本全国に昔からあったわけではありません。
比較的関西方面(特に大阪地方)が多かったのですが、恵方巻を食べる風習が全国区になった理由は諸説ありますが、
良く知られているのは某コンビニエンスストアの戦略だったと言われています。
恵方巻は某コンビニエンスの販売戦略で広まった!
昔から恵方巻のような太巻き寿司は存在していましたが、その頃は大阪地方でも恵方巻とは言わず「丸かぶり寿司」などと呼ばれていました。
恵方巻の名称の由来は1998年(平成10年)に某大手コンビニエンスストアが全国発売にあたり、その商品名に「恵方巻」を採用したことによるとされています。
それから10数年経った現在、その販売戦略は見事に当たり恵方巻は全国に広まったのです。
恵方巻は恵方を向いて丸かじりが正解?
恵方巻は切り分けたりしないで一本丸かじりで食べるのが良いとされています。
その理由としては一本丸ごと食べることで吉(幸福)や商売繁盛の運を一気にいただく、ということを意味しているとされています。
途中で食べるのやめてしまうと運を逃すことになるとも言われています。
一気に恵方巻を一本をまるごと食べることで新しい年の幸運をぜひ手に入れたいものです。
節分に恵方巻の恵方とは?
恵方とは、陰陽道でその年の福徳を司る神を指していて、「歳徳神(としとくじん)」がいる方向を恵方と言います。
また、恵方は「明きの方(あきのかた)」や「吉方」とも言われており、その方向に向かい事を行うことで「万事に吉」とされています。
恵方巻を食べる場合にその年の恵方とされる方角を向いて食べると同じように「吉」と言うことです。
恵方の方角の決め方って?
年ごとに変わる恵方(吉とされる方角)は誰が決めるものではなく、その年の「干支(かんし・えと)」の「十干(じっかん)」によって決まります。
恵方は基本的に四方しかありませんが、その四方、十干(じっかん)を組み合わせることでその年の恵方が決まります。
十干とは 甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸(こう おつ へい てい ぼ き こう しん じん き) のことで、古来中国から伝わったもので暦の表示などに用いられていました。
この十干と恵方の組み合わせが、その年の「歳徳神(としとくじん)」のいる恵方を決めることになるのです。
と言われてもチンプンカンプンでしょうから、ここ数年分の恵方を記載致します。
恵方の方角を10年分紹介します(2016~2025年)
・2017年は、丁(ひのと) 「北北西」が恵方、
・2018年は、戊(つちのえ)「南南東」が恵方、
・2019年は、己(つちのと)「東北東」が恵方、
・2020年は、庚(かのえ) 「西南西」が恵方、
・2021年は、辛(かのと) 「南南東」が恵方、
・2022年は、壬(みずのえ)「北北西」が恵方、
・2023年は、癸(みずのと)「南南東」が恵方、
・2024年は、甲(きのえ) 「東北東」が恵方、
・2025年は、乙(きのと) 「西南西」が恵方、
この周期で恵方は回ると言うことです。
このテーマのまとめ
恵方巻由来や意味が分かったところで、ここで恵方巻を食べる際のルールをまとめてみます。
その1、必ず恵方を向いて食べましょう!
必ずその年の恵方を向いて食べることが鉄則です。
その2、恵方巻きは黙って食べましょう!
恵方巻きを食べるときは黙って食べるのが吉ですから、黙って食べ終えないとご利益を得ることが出来ないとされています。
その3、恵方巻きは一気に丸ごと食べましょう!
恵方巻きを食べるときは切り分けたりせず、一本を丸ごと一気に食べましょう。
途中で休んだりすると、前述したよう「運」が逃げてしまいます。